シルクスクリーン印刷で使えるイラストレーターに代わる最強ツール
※シルクスクリーン印刷では特に版下(黒色で作られたデザインをポジフィルムに印刷)を作るのに、イラストレータなどのベクター形式のデザインソフトを使用します。
前回のブログではipadを使って無料アプリでイラストレーターと同じようなベクター素材を作成できるアプリを紹介しました。
iPad Proがシルクスクリーン印刷で使える時代に! - シルクスクリーン印刷 DIY部
今回は皆さんが使い慣れた、パソコンでillustratorやPhotoshopと同じような機能を使いシルクスクリーン印刷に十二分に活用できるソフトを発見したので、このブログでシェアしたいなと思います。
シルクスクリーンDIY部もパソコンを使い続けているので、Ipadもいいのですがやはりこちらをメインに使っていく事になりそうです。
その名は
AFFINITY DESIGNER (アフィニティ デザイナー)
遂に、ついにAdobeのイラレに本格的に対抗できるソフトが現れました。
※Photoshopと同じようなことが出来るソフトはAFFINITY PHOTOと言います。
なぜこのソフトなのか?
・ベクター形式
まず第一にいつも話しているようにシルクスクリーン印刷をするには鮮明な版下を作成する必要があります。それを、パソコンなどで確実にこなすことが出来るのがベクター形式のデータでAdobeのillustratorなどがその代表で,シルクスクリーン業界では切っても切れない存在なのです。そのillustratorと同じベクター形式を扱えるのがAffinity Designerなのです。
・ユーザー
素晴らしい事にWindows版もあり、PCユーザーの誰もが使えるソフトとなりました。※Mac,iPad版も勿論あります。
・互換性
Adobeのillustratorのaiデータを取り込んで編集なども可能で、今までイラレユーザーの人も以前のデータを取り込んで使えるのが最高です。
書き出しはデザイン系で必要なほとんどの形式にセーブが出来ますが、2020年1月現在今のところaiデーター(Adobeのillustratorのデータ形式)にだけは書き出しはできないようです。aiデータで必ず保存しないといけないという人は、正直一部の専門的デザイナーだけで、例えば、ロゴやチラシ作成がもし必要な場合もPDFで製作が出来るので問題ありません。
・値段
6,100円
1回の買い切りでずっと使えて、Adobeと同じような機能が使える最強ソフト。
今のAdobeはイラレだけでも年間3万円程かかり、更に使い続けるには毎年同じように年間3万程を支払い続けなければいけません。一方、Affinity Designerは一度支払うだけでずっと使える。このコスパ力は半端ない。
・割引を使う
通常の6,100円でもAdobeと比べれば安いのですが、主要なセール時期には、こちらのソフトなども割引価格で販売しているようです。去年のブラックフライデーでは全ての商品が30%offで更に安く購入できたそうなので、検討している人はサイトなどをちょくちょくチェックしてセールのタイミングを逃さない事です。
・無料版をまずは試してみる
10日間、無料で使える期間があるので、実際に今回のトトキリの手順を通して、版下を無料版で作ってみて自分で良し悪しを判断してみる事。
・デメリット
購入時はクレジットカードかPaypalでの決済のみ可能。2020年1月現在、クレジットカードはJCBには対応していないのでVisaやMasterでの決済が必要です。
始める前に
みんな、まずリラックスして欲しい、イラストレーターを含め色々なソフトは、見た感じ難しそうで、取っ付きにくいイメージを持つかもしれない。実は私も最初、同じような気持ちをもって、なかなか前に進めれなかった。ある時、ある考え方に気づき、いつの間にかできるようになっていた。
”10年後に今よりできるようになっていればいい”
”使い方を覚えながらついでにデザインの勉強も実践で作りながらやってみよう”
最初は、全く何もわからなかった私ですが、日々ちょっとずついじっていれば、私のように学校に行かずとも、一年後には今よりよくなっている、そう確信して始めました。
そう、私はできない事を考えるより、できる事を考えて、まず始める事にしたのです。
無理に詰め込んでも、必ず途中でガス欠してできる前に諦めるので、気楽にまずは手に触れてみる事、後はリアルな小さな目標を立ててみる事、結構ためになる。
”6100円で買った分はこのソフトを使って1年でペイしよう”
シルクスクリーン印刷を学ぶ事により、その技術を家で出来るスモールビジネスに転換できる。現実的に話すと、自分のデザインTシャツを5~6枚1年かけて売れば、大体6100円をタダで買えて、学べる事になる。このぐらいの目標なら、前に進む気持ちと、楽しむ気持ちがあればだれでもできる、単純だけど、考え方ひとつで、目標がいつの間にか自分の技術向上につながり、自身のお金もかけずに、いつの間にか色々できるようになって行き、一石三鳥ぐらいになる。
ポイントは、まずは、少しずつ段階的に触れていく事。
では、実際に使って版下を作る手順を教えよう
・Affinity Designerでシルクスクリーンの版下を作る手順
こちらが、Affinity Designer のインターフェイス。
・今までAdobeのイラストレーターを使って版下を作っていた方なら分かると思いますがシルクスクリーン印刷では以下の2点をデザインソフトで注意して作ります。
>文字は必ずアウトライン化する
>印刷の設定は最も重要
この2点のやり方をAffinity Designerでも押さえておけば大丈夫でしょう。
アウトラインの仕方
まずは、どんな感じでもいいので自分のデザインを作ります。
(今まで作ったイラストレーターのデータがある人は、そのデータをAffinity Designerに取り込む事が出来ます)
今回、トトキリは台湾バーガーのテイクアウトショップのデザインを制作
※デザインは必ず黒で作る事
シルクスクリーン印刷ではデザインを印刷する前に必ず、文字をアウトライン化することが必須になります。
下の画面のように、左上の矢印のマークを選択→アウトライン化する文字をクリック
して選択。そうすれば下の画面のようにその文字が選択されたようになります
文字を選択した状態で
画面上部のレイヤを選択→するとカーブに変換という項目が出てくるのでクリック
これで文字のアウトライン化が完成です。
※他の文字部分も必ずアウトライン化する
※アウトラインとはベクター形式に変換し、文字のサイズなどが変わっても常に鮮明に印刷などが可能になる、とても重要な設定です。
・印刷設定をする
※シルクスクリーン印刷DIY部では印刷用のプリンターはEPSONを使用していますので他社のプリンターを使用している方は同じような設定項目を試してみて下さい。
画面左上の”ファイル”から印刷の項目を選択して、使用するプリンターを選択して、プロパティーを選択してください。
次に用紙種類→写真用クリスピアを選択
印刷品質→きれい
カラー→グレースケールにそれぞれ設定する
OKを押して印刷を開始する。
・Affinity Designerでシルクスクリーンの版下の完成です
イラストレーターとまったく同じクオリティーで版下を作ることが出来ました。イラストレーターよりも何倍もコストパフォーマンスが高いですが何の問題なく使えて、時代の進歩に感謝です。
・デジタルからアナログへ
シルクスクリーン印刷の深みは、私達の未来に大きく広がるデジタルの使い方を学び、習得しつつも、更に人間の手のぬくもりを加えて価値を高めることが出来るアナログ的な表現を作り上げる事が出来る素晴らしい技法です。
家で出来るスモールビジネスが可能なシルクスクリーン印刷ですが、あなたの素晴らしいアイデア1つで更に大きな可能性と笑顔を届ける事が出来るのではないでしょうか。
何とも言えないパッケージ作成や簡単なお店の看板、その他沢山の物をオシャレにプロフェッショナルに仕上げることが出来る、それがシルクスクリーン印刷ですね。
・結論
今までシルクスクリーン印刷に携わっていますが、シルクスクリーン印刷の初心者の方やベテランの方にも伝えてあげたい、デザインソフトです。
正直シルクスクリーン印刷で必要な機能はイラストレーターにありますが、そこまで高い物にお金を払う必要がないし、イラレの全ての機能をシルクスクリーンで必要にはならない(ごく一部だけが必要なだけ)、なのでその代替えがあるなら、そちらを検討するのがいいかと思います。それが、まさにAffinity Designerです。これで更にコスパ力を高めて、アイデアを形にできるなんて凄すぎです。