インクの選択(水性)【自宅で学ぶシルクスクリーン印刷大学】
さあ、ここまで来て、いざ本番!世界中のシルクスクリーン印刷フリークたちは色々なものに印刷をしたいと、それぞれの想像力を膨らましているはずです。
ただ、いざ印刷となった時、”うわー、にじんでる..."とか上手くいかないとか、色々上手くできない、これが現実です。
なぜ、今まで、どこにもその解決策が見当たらなかったのか、同じような情報や学んでもなかなか再現できない、どうしてか?
それは、同じ条件下でシルクスクリーン印刷の工程を進めていないからです。
その条件とは、このシルクスクリーン印刷大学の進めてきたカリキュラムの一つ一つになります、最後までこのカリキュラムの内容を完全に真似をして行き、シルクスクリーン印刷の技を最短で習得して、自分の本題である創作やビジネスに早く時間をかけてもらえればと思っています。
さて本題のインクの選定(水性)の答え、それは
インクの選定は印刷対象がどんなものかで決まる
それがこのカリキュラムの肝です。
正直ちまたで販売されている、色々なメーカーのインクがありますがどれも安定していてよい商品ばかりなのでどれを購入しても知識が伴っていたら問題なく使いこなせるでしょう。
先人が使っているインクなどを教えてもらうことで、自分も同じようにできるんだと答え合わせができるので、今日はそれらを教えますね、しっかり盗んでください。
ただ、皆さんが現段階で集中するところは印刷対象物であることを忘れないで下さい!
水性インクには大きく分け二つのインクがあります。
それは染み込むインクとマット系のインクです
プロはまず、印刷対象物がどんなものなのかを見て、それによってインクを選定します。
では、身近な印刷物であなたの判断に対する答えまで導きます、その答えでしっかり自身の判断能力を高めてください。
①質問1
キャンパス生地のトートバッグにはどのインクが適していますか?
イメージとしては表面がツルツルしていてコーティングされているイメージで
染み込まない硬い表面のイメージ物です。
答え:マットタイプのインクを使用
考え方:生地がかたく、インクを染み込ませるのではなく、表面にインクを置くといったイメージを持てばインクの選定はできるはずです。
②質問2
白色や薄い色のコットン(綿)生地のトートバッグやTシャツにはどのインクで印刷しますか?
答え:染み込むタイプでも
マットタイプでもどちらでも大丈夫
考え方:染み込むタイプで自然な雰囲気をイメージしているなら、染み込むタイプで行こう、はっきりしたデザインを表現したいならマットタイプで行こうという感じで、自分のイメージに合わせて判断してください。
もちろん、オリジナルTシャツを作る際(白や薄い色)、普通の綿のTシャツがありますが、これらも染み込むタイプ、またはマットタイプでも構いません。
③質問3
濃い色のコットンTシャツにはどのインクで印刷しますか?
答え:マットタイプのインクです。
考え方:濃い色の印刷物にははっきりとした表現が必要で、染み込むタイプではインク乗りが分かりにくいため、印刷物の上にインクを乗せるマットタイプがいいと考えます。
④質問4
前掛けにはどのインク?
答え:やはり、前掛けにもマットタイプの以下のようなインク
考え方:生地がとても硬く、インクが染み込むイメージが持てませんね、そうなるとやはりマットタイプで仕上げ、インクを生地の上に置くイメージにするとはっきりとしたデザインに仕上がりプロのような仕上がりとなります。そのイメージを持ち、インクを選定すると上記の写真のような仕上がりとなります。
⑤質問5
紙(つや少しあり)にはどんなインクを使う?
答え:少しでもつやがある感じの繊維であれば以下のようなインク
この袋に対するインクの乗りを見ていただきたいのですが、にじみがありません
もし、ここで染み込むタイプのインクを使うとどうなるか?それはインクがにじむか、たれてしまい綺麗に作ったデザインをそのまま表現は出来なくなります。
⑥質問6
気に印刷する場合はどのインク?
結論:木が繊維質であるか無いかを見分ければインクの選定ができ想像力が広がる
では、ここでは二通りのパターンで理解しよう!
以下のような繊維質がある木材ならどうだ?
もちろん、以下のようなインクが可能だ
繊維質がイメージできれば染み込むインクは可能だ、ただ少しでもツルツルした表面がある材質にはやはりマットタイプが適してると言える。
自然な表現をあなたがイメージするなら、繊維質の木材を選択して、染み込むタイプのインクを選べばいい感じになるであろう。
このようなツルツルした表面の木材は?
もうみんな、わかるよね。
答え:マットタイプのインク
これらのインクが理想と言えますね
結論:インクを選定するときの一番大切な視点
それは印刷対象物が、繊維質であるか繊維質ではないかそこを見ること。
繊維質の印刷対象物なら:染み込むタイプのインクの使用が可能なので、自然なインク表現もできるのでおもしろいな~と思いながら、インクの選定を考えるでしょう
※対象物が繊維質でもマットタイプインクも選択ができますよ
印刷対象物の表面がツルツルしているか、硬すぎるものなら:マットタイプ一択
インク選びがとても重要なのは、それにより出来上がりが変わってしまうということなので、まずは対象物が何なのかを頭に入れてインク選びをすることが重要です。
もし、それらを怠ったり、経験不足からそれらを考えないで進めると以下のような事が起こりうるので、そのような失敗を事前に避けるように注意してモノづくりを進めてください。
1. インクにじみ
インクの選定を間違えることにより起こります。
特に初心者は、印刷対象物の表面が硬いものや、ツルツルしたものにも染み込むインクを使ってしまったりします、その際のインクにじみの原因はインク選びの失敗が一つの要因といえますので注意しましょう。
2.インクの選定の誤りにより、イメージと違う仕上がりになる
水性インクには染み込むインクとマットタイプがありますが、初心者はそれぞれのインクの仕上がりを想像できないので印刷してから、なんかイメージと違うな....とやり直したり、無駄が生じます。印刷前にイメージを明確にしてからインク選びをしましょう。
<染み込むインク・マットタイプ仕上がり>
染み込むタイプ・・・生地にインクが染み込むために、柔らかく、自然な表現ができる仕上がりになります
マットタイプ・・・ インクは生地の染み込まず、上に乗るイメージです。発色がよく、色々なものに印刷が可能になります。
これらを加味しながら、実践していくと仕上がりのイメージがさらに高まっていくでしょう。
以下には、さらに動画にてシルクスクリーン印刷のインクについて解説していますので是非視聴していただき、よかったらチャンネル登録もよろしくお願いします。